レアメタルがレアだった時代

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レアメタルがレアだった時代

レアメタルが陽の目を浴びなかった時代、中国など発展途上国にとって、レアメタルは外貨獲得のための貴重な手段であった。とにかく、外貨を獲得するため、レアメタルを海外に販売するしかなかった。なぜなら、発展途上国ではまともな自動車も作れず、IT製品などの生産はほとんどなかった。つまり、レアメタルを消費する産業がほとんどなかったのだ。そのため、外貨を獲得する方法としては、農産物などの一次産品やレアメタルを含めた資源の輸出をせざるを得なかった。

中国の場合、幸い国土が広く掘れば出てくるというのは極端だが、多くの地域にタングステン、アンチモン、希土類などの資源が眠っている。そのため、A村の陳さんが採掘を始めれば、B村の劉さんも続く、そしてそうなるとC村の王さん、D村の呉さん・・・と収拾がつかなくなる。もう、世界需要や売れる、売れないという判断はそこにはない。これは鉱山だけでなく、鉱石を加工する精錬工場などでも同じである。気がつけば中国だけで、世界需要の何倍もの精錬能力を手にしていたのである。しかし、採掘することは採掘する、作ることには作る、と言っても国内にそれを使う産業はまだない。となれば、海外に輸出するしかないあるよ!

こういう論理で、80年代以降、中国から大量のレアメタルが輸出された。それもトンデモない価格である。

となると日本を含む(日本にもタングステンやモリブデンなどのレアメタル鉱山は当時存在していた!)西側諸国のレアメタル鉱山や精錬工場の多くが休山や廃業に追い込まれた。

結果として、レアメタルの多くの川上分野では、もう鉱山も精錬も儲からないし、環境にも悪影響(エコ、エコと言われるようになった弊害かもしれない)なので、国内でやる必要もない。中国他から安く買えばいいさ!ということになってしまった。

実際、それ以降、90年代や2000年代初期まで、中国はある意味、立派に供給責任を果たしてきたとも言える。これは謝謝あるね。

それが、改革開放政策で、豊かになり、外貨も十分に獲得した中国が立派な車やIT製品を作るようになり、中国国内でのレアメタル消費が急激に拡大した。そして、多くのレアメタルで気がつけば中国の消費量が西側を上回るようになった2005年以降、目に見える形で、レアメタルが手に入らない”レアメタルパニック”が始まったのである!

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Category: レアメタル
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