月の恋人 Moon Lovers 道尾 秀介

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月の恋人 Moon Lovers 道尾 秀介

今年は、自分の本(『ひとり総合商社が行く!―レアメタル争奪戦の裏側』)を出すので前半忙しかったことと、一通りお気に入りの作家の本を読み通し、あとは最新刊のみとなったのだが、なかなか図書館での順番待ちで回ってこないため、今年はあまり本を読めていない。

そんな中、約1か月ぶりに予約していた本が回ってきた。それが道尾秀介の月の恋人である。



道尾秀介は、わたしと同じ30代ではあるが、日本のミステリー界では伊坂幸太郎と並ぶ双璧ではないだろうか?(お二人とも30代!)と私が偉そうにいうのも何だが、面白い本をいつも書いてくれる。どちらかというと少し暗い感じの本が多く、読みながらその重い世界に引き込まれていく。伊坂幸太郎を”陽のミステリー”とすると道尾秀介は”陰のミステリー”というところか?概ね、ミステリーという分野では、≪人が死ぬ≫、あるいは≪殺される≫というのがなくてはなない要素なのだ、それを楽しく陽気に?書くのが伊坂幸太郎、少し離れた視点から冷ややかに書くのが道尾秀介である。

この本は、道尾秀介の中でも異色で、キムタク主演の月9(10年5月~7月)の原作として書き下ろされたものらしい。ドラマ自体は見ていなかったが、どんな薄ら寒い背筋が凍るミステリーに仕上げたのか?と思って読んでみたところ、これが意外や、人も死なない、殺されない、なるほど月9に相応しい恋愛小説であった。(後で思いおこすと二人自殺者はいたけどね!)ただ、ところどころ、いつもの重めなミステリーに落とされるのでは?とビクビクしがら読ませもらったが、道尾秀介の本を今回初めて読んだ人であれば、さらっと恋愛小説として読めただろう。

全くの勘違いで、キムタクの相手方がてっきり竹内結子と思いこんでいた。そういうつもりで読み切り、ふむふむナイスな配役と納得していたが、この記事書くため、ネットでドラマ版を見て気づいたが、竹内結子など全く出てい。かつ、本でのヒロイン(私が竹内結子をイメージして読んでいた!)がドラマでは存在せず、本ではちょろっとしか出てこない脇キャラがドラマでのヒロインであり、このヒロインを篠原涼子が演じていたのには驚いた! どういう背景でドラマ版のヒロイン設定が変更になったか?わからないが、この設定(本では、ヒロインは全くキャリアウーマンではないのだが、ドラマでは何だか仕事出来そうな感じ?)では、なるほど篠原涼子の方が合ってる気がした。本があってドラマになったのではなく、書き下ろしで同時期に出た割には、全く別物として見た方が楽しめるかもしれない。

ということで、いろんな意味で道尾秀介の本の中では異色ではあったが、面白く読めたということには変わりないので、是非お薦めしたい。

ちなみに、私と道尾秀介との出会いは、09年6月からとまだ浅い。『レエ……オグロアラダ……ロゴ……』と読売新聞の広告に載っていた謎の言葉に何やら興味を覚え、最初(09年6月25日)に読んのが、背の眼。それを切っ掛けに、7月1日片眼の猿 One‐eyed monkeys、7月6日シャドウ (ミステリ・フロンティア)、7月7日ソロモンの犬、7月11日骸の爪、7月28日カラスの親指 by rule of CROW’s thumb、9月27日鬼の跫音、10月14日向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)、11月18日龍神の雨、10年になっても2月4日球体の蛇と09年後半からはまさに道尾秀介のミステリーを読み漁った。今、改めて見てみると読み漏れしている作品(まだ、浦安図書館に来てない?)があるようなので、これも読まないと!

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Category: 書評
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