「TPP開国論」のウソ、中野剛志責任編集、第1章三橋貴明編

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TPPについて考えたい⑥
『「TPP開国論」のウソ』 Ver.1

平成の黒船は泥船だった 飛鳥新社
中野剛志責任編集


今回は、「TPP開国論」のウソ 平成の黒船は泥舟だっただ。これで、TPP関連本も6冊目となるが、この本はこれまで読んできた東谷 暁中野剛志に加え、『サムスン栄えて不幸になる韓国経済』などの著者である三橋貴明の3大論客によるTPP反対の集大成的な1冊である。3氏が個別の章毎に持論を張っているが、それぞれ読み応えがあるので、個別にまとめてみたい。




その第一回目となる三橋貴明による第1章”TPPの正体”から始めてみたい。

まず、アメリカのTPP参加への動機だが、

1.)98年からのITバブルとその崩壊(01年)
2.)02年からの不動産バブルとその崩壊(07年)

それにより、失業率が09年には10%を突破。再選を目指すオバマ大統領としては何としてでも失業率を下げるため、10年1月の一般教書演説で輸出を今後5年間で倍増させると発表した。アメリカの輸出額は年間約1兆ドル(80兆円)あり、新たに80兆円分の輸出を創出するというのだ!では、具体的にどこに輸出するのか?というとTPP参加化国の中では日本以外にはあり得ない!アメリカの狙いはそこだ!という主張である。

そこに支持率上昇のため、何も考えずに「ほいほい、平成の開国だ!」と乗ってしまったのが菅前総理だという訳だ。

次にデフレの際は、自由貿易は百害あって一利なしと続く。日本の輸出依存度は09年で10.71%とアメリカの7.41%に続き、低い。一方、TPP参加理由の一つにもなっている日本の競合先である韓国はどうかというと、43.64%もあり、韓国は国内社会が安い輸入品に晒され、賃金も国際競争のために下がり続けても自由貿易を推進する以外の道はないが、日本の場合、規模の大きい国内市場があるため、国内を犠牲にしてまでTPPなどの自由貿易を推進する必要がないと論じている。

また、TPP参加、また不参加それぞれの理由ともなっている日本の財政破綻の危機については、全く問題ないとも。日本の場合、95%が国内からの調達であり、何より自国通貨建てであり、デフォルト(債務不履行)になることはあり得ないと断言している。つまり、ギリシアのように外貨建て、例えばドル建てなら日銀がドルを刷って返す訳にはいかないが、円建ての借金であれば日銀が円を刷って国債を買い取ればいくらでも返せるので問題ない。更に日銀が国債を買い取ることにより、円の供給量が増えるのでデフレ脱却、インフレとなる。そして、インフレとなって経済成長していけば税収も増え、国債を返していけばよい。また、最近よく話題となる自国通貨建て国債でも、日本人の金融資産1400兆円を国債残高が上回れば破綻するという説もあるが、結局国債残高が増えれば家計が保有する金融資産も増えるので、国債残高が金融資産を上回るということはあり得ない!とTPP参加反対の話から、デフレ脱却へと話は変わっていく。このデフレ脱却の話には賛同できる。

最後にTPP推進派の各説に対しての三橋貴明の反論が続くが、それは次の機会に!


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Category: 書評

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