チタンがレアメタルでなくなる日

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チタンがレアメタルでなくなる日

が早く来て欲しいと思っている。
レアメタルって何だっけ?っていうのは、「最近話題のレアメタルって?」で紹介したが、チタンはレアメタルの中でもかなり特異な存在である。

通常、資源の偏在や埋蔵量が少ないということで、レアメタルと言われるケースが多いが、チタンに関していうとほぼ世界中に存在し、その埋蔵量はクラーク数で言うと、金属ではアルミ、鉄、マグネに次ぐ4番目であり、銅よりも多いのである。

では、なぜチタンがレアメタルと言われているかというと、チタンが自然界ではTiO2として存在しているのだが、このTiO2からTiとO2を分ける技術が非常に難しいからだ。まだ、工業生産を始めてから、50年ちょっとしかない。これがネックになり、資源はあるが、生産がなかなかできないため、チタンはレアメタルとなっているのである。

この点が、更に他のレアメタルとチタンの差になっている。他のレアメタルでは資源が中国に多くあり、かつて中国で世界需要など全く無視した大増産を行い世界中に安値で放出した。そして、気がつけば中国以外は作っていないという状況になった。その間、安いレアメタルを中国が世界に供給してきたが、水面下では中国国内の需要拡大を背景に供給リスクは高まっていた。そして、今回の尖閣騒ぎでようやく「これは危ない!」と目が覚めたが、中国以外のレアメタル産業(鉱石とか川上に近い方)は、手の打ちどころがないまでに壊滅している状況であったのである。

一方、チタンに関していうと、中国に資源はあまり多くない。中国にはTiとO2を分離する技術は旧ソ連から伝わっていたが、その後、数十年間大きな発展はなかった。しかし、実は2005年ぐらいから中国が他のレアメタルと同じく世界需要など無視したチタンの大増産を図ったが、結果としては、チタンの技術的な困難さから、さすがに中国で作ったとしてもコスト競争力がなく、他のレアメタルのように世界を席巻することはなかったのである。(幸い)

さて、冒頭のチタンがレアメタルでなくなる日であるが、今回、日本を含め西側のチタン産業を中国の無茶大増産から守ったのが、このTiとO2を分離する技術的な困難さであったが、いつの日かこの点をブレークスルーする技術が産み出されれば、恐らくチタンの生産量・消費量は爆発的に伸び、鉄、銅、アルミ、鉛、亜鉛に続く、ベースメタルとして、より多くの産業に使われることになるであろう。(例えば、今のチタンは自動車の構造材として鉄に代わり、使われるには価格が高過ぎる。ケタが一つ、二つ違うのだ。そのため、使われるとしてもマフラーやバネなど特殊なパーツに使われるのみである。これがコストが下がれば、今より半分ぐらいの軽さの自動車の生産が可能となるであろう。)

で、肝心のいつそうなるのか?については、今、新たなチタンの精錬方式の研究をしている日本のチタンメーカーの活躍次第なので、一刻も早くそうなることに期待している。いつかそうなることは確実である(と信じている)が、あとはそれがいつなのか?という時期の問題かもしれない。ちなみにガンダムはチタン合金で作られており、ガンダムを作るためにもチタンのブレークスルーが必須条件なのである。乞うご期待!

おしまい。

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Category: レアメタル

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